双月 第76号
マンガ、アニメは日本文化の象徴的存在として海外からも注目を集めています。
最近では「ワンピース」というマンガが人気なのだそうです。
主人公が仲間と宝物を求めて旅する冒険物語なのですが、マンガだから、と軽く見る感覚は改めなければなりません。友情や人生について、考えさせられるセリフが多く出てきます。次にあげるセリフが印象に残りました。
「ひとは、いつ死ぬと思う?
心臓をピストルで撃ち抜かれた時か? ちがう。
猛毒キノコのスープを飲んだ時か? ちがう。」
「人に忘れられた時さ。」
法事などでよく「いなくなった人と亡くなった人は違う」とお話しています。
いなくなった人とは、縁が切れて関係なくなった人、忘れてしまう人。
亡くなった人とは、今も大切な人、忘れることのできないひと。
姿は見えなくなっても、思い出したり、話しかけたり、困ったときは頼りにしたい人のことです。
体が死んでしまったら、その人がいなくなってしまうのではないんです。その人を大事に思うなら、忘れてはいけないのです。忘れずにいたなら、その人は、仏の命を生き続けることができるはずです。
「供養」とは、供えて養うと書きます。
やしなうとは、生かすことです。
皆さんが憶えていて、また思い出して、亡くなった人たちを生かしてさしあげることなのです。